コラム
2025/12/29
いちばん遠回りないちごづくり 【その1】

「もっと簡単なやり方もあるのにね」
と言われることがあります。
それでも私たちは、はじまりの時を想像して少し戻ってみる事を選びました。
その理由を、少しだけお話しさせてください。
- 「昔はもっと採れたのに」
- 「栽培がこんなに難しくはなかった」
- 「夏の暑さが異常でいちごの苗がもたない」
- 「長年やってきて、こんな事ははじめてだ」
石垣栽培の大先輩方からこんな声が聞こえだしたのは3年前くらいからでしょうか。
私に代替わりし、初めての育苗で大失敗をした頃です。
「炭疽病」が蔓延し、どんどん親株が倒れていきました。
そのたびに、「消毒」「殺菌」「消毒」「殺菌」の繰り返し…
身体も心も疲弊していきました。
私の経験値の低さもありましたが、大先輩の皆さんもご苦労されている状況でした。
どうやら様子が変わってきた様なのです。
いままでの作り方、いままでのやり方が通用しなくなっている。
正解を知っている方がおらず、みんな試行錯誤しながら石垣栽培にむきあっていました。
そんな時に、私は「昔」を考える様になりました。
石垣いちごの長い歴史の中で、今はやらなくなって「昔」はやっていた事は何だろう。
もしかしたら、そこにヒントがあるかもしれない。
そして思い出したのがその昔、親戚縁者だけでなく、町内ぐるみでおこなっていた作業「空積み」です。
石垣のブロックを一枚ずつはずして、中の土を崩し、元肥を入れてまた土を積んで石垣をはめる、という作業です。
真夏に行う作業のため、幼少期に思い出すのは家族の土まみれの肌着と疲れた大人たちの姿です。
なぜ、その作業が必要だったのか。
そして、なぜ今はそれをやっている様子を見なくなったのか。
そんな事を考えてる内に一度やってみよう!
こんな風に、昔を思い出す作業をはじめていく事にしたのです。
次回につづく、、、
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